ウィンドウディスプレイは、店舗やその店舗が提供する商品・サービスとお客様が最初に出会う場所であり、その魅力を伝える重要なマーケティングツールです。魅力的なウィンドウディスプレイはお客様の心を動かし、店舗・商品・サービスへの関心を高めます。
1. ウィンドウディスプレイとは?その役割
お店や商品・サービスの魅力をお客様に伝える
ウィンドウディスプレイの一番大切な役割は、そのウィンドウを目にする方々に対し、実際に来店し、商品やサービスをに直に触れる前に、その魅力を感じていただくことです。
お客様は、そのお店の商品やサービスが魅力的で、それを「欲しい」、「利用したい」という思いがあって来店します。どんなに魅力的なお店で、素晴らしい商品、サービスを取り扱っていた としても、そのことをお客様に気づいてもらえなければ来店していただくことは出来ません。
ウィンドウディスプレイは、店舗や商品、サービスの魅力を外側に発信し、それを目にした方々の注意を引きます。お客様が実際ご来店される前に、商品やサービスへの興味、関心を高めることが出来るのです。
成田空港第二旅客ターミナル「JAPAN FOOD HALL」
成田空港第2旅客ターミナル「JAPAN FOOD HALL」のウィンドウディスプレイでは、新たにオープンするフードホールの魅力を伝えるディスプレイを制作いたしました。 このフードホールは、海外のお客様に日本の食の豊かさを伝える充実した店舗構成になっていますが、ショッピングエリアから一つ下がった階層に位置しており、歩行者はその魅力になかなか気づくことが出来ません。そこで、フードホールへ下がるエスカレーター近く、ショッピングエリアと同一フロアにウィンドウを設置し、フードホールの魅力を伝えるディスプレイを展開しています。
愛らしい招き猫をアイキャッチとして配置し、食品サンプルや店頭幕、酒樽、提灯など、日本の食や文化の豊かさ、楽しさを感じられる要素をふんだんに盛り込みました。 フードコートへの関心を高め、日本らしいおもてなしの心を感じていただける、楽しいウィンドウディスプレイです。
季節やトレンドー「旬」を表現する
人は、季節やトレンドなど「旬」を感じる表現についつい注目してしまいます。ウィンドウディスプレイでは、展開するタイミングに合った「旬」の情報を発信することで、ウィンドウを見る人々にポジティブでフレッシュな店舗、商品構成であることを伝えることが出来ます。ディスプレイを定期的に入れ替えながら、長期間継続して展開すれば、いつでも鮮度の高い商品を扱うお店と感じてもらうことも出来るでしょう。
Will Selection “playful pink” 新宿 LUMINE EST ウィンドウディスプレイ
このウィンドウディスプレイでは「春」をテーマに、春らしい装いと装飾をあしらったディスプレイを展開しています。柔らかなカラーリングに、明るく弾むような気持ちをバルーンで表現し、華やかで楽しい雰囲気に仕上げました。春の暖かい日差しの中、今すぐにこの洋服を来てお出かけしたくなるような、可愛らしく楽しいディスプレイです。
認知度を上げ集客力を高める
ウィンドウディスプレイは集客力向上にも効果的です。目を引くデザインは歩行者に店舗を認識させ、雰囲気や商品ラインナップを見せることで来店のハードルを下げます。繰り返し目にすることでブランドへの親しみが生まれ、次回の来店動機を生み出します。 さらに、インパクトのあるディスプレイはSNSや口コミで拡散されやすく、集客効果を高めてくれます。 ウィンドウディスプレイは、その前を通る歩行者を「興味を持つ顧客」に変える、重要な役割を果たしています。
2.効果的なウィンドウディスプレイの作り方
「誰に」「何を」「どのように」
ウィンドウディスプレイのデザインでは、「誰に」「何を」「どのように」伝えるのかを、しっかり考えることが大切です。
お客様がどんなことを求めているのか、どんな価値観や行動パターンを持っているのかをよく理解して、それをデザインに反映させるこ とで、より心に響く表現ができます。
こちらはフランスワイン専門店 La Vinee のウィンドウでは、想定されるお客様像をイメージしながらディスプレイを制作しています。 このお店には、ワインやシャンパンに特別なこだわりを持つお客様がいらっしゃいます(「誰に」)。
そこで、このウィンドウディスプレイでは、このワイン・シャンパンが伝統ある葡萄畑で収穫され、素材から厳選された、こだわりの中で生まれた商品であることを表現することにしました(「何を」)。
さらにその伝統や上質さを、文章や写真ではなく、葡萄の木をモチーフにした立体的なアートで表現しています(「どのように」)。
ひと味違うデザインで、感度の高いお客様にも「こだわり」を感じて頂けるよう工夫したウィンドウディスプレイです。
フランスワイン専門店 La Vinee 虎ノ門ヒルズ店
店舗やブランドの個性を見つけ、際立たせる
どんな店舗やブランドにも、それぞれにしかない個性やストーリーがあります。その店舗、ブランドが持つ独自の個性やストーリーを見つけ出し、ウィンドウディスプレイの中で表現することで、他とは違うその魅力をしっかりお客様に感じていただくことが出来ます。
日本製のラグジュアリーウォッチブランド “minase” のウィンドウでは、“minase” の個性を表現したディスプレイを制作いたしました。
ブランド名の “minase” は、時計を生産している秋田県皆瀬(みなせ)の名に由来、その美しい自然をウィンドウいっぱいに表現しています。
ガラス面には開発ストーリーを閲覧可能な QR コードを設置。秋田県皆瀬の厳しくも美しい自然環境でしか作ることのできない、最高品質の腕時計 “minase”。見る人にその商品の背景を伝えると同時に、唯一無二のブランドへの愛着を育み、ファンになっていただくためのディスプレイです。
“minase” ウィンドウディスプレイ 歌舞伎座
視線を誘導する
視線の流れを意識したオブジェの配置や、サイズや色のバランスとなど、様々なテクニックを駆使して視線を誘導することで、そのウィンドウディスプレイが伝えたいメッセージ、アピールしたい商品の魅力を、自然と人々に伝えることが出来ます。 写真左側、TADASHI SHOJI“WINTER”のウィンドウディスプレイでは、ドレスを除く飾り付けを全て無彩色でまとめ、ドレスの赤が際立つように配置しています。さらに、装飾にはブルー系の間接照明、メインのドレスには白色のスポットライトをしっかり当て、照明のメリハリでも視線を誘導しています。寒々としたパーティー会場で一際目を引くドレスに出会ったかのような、ドラマチックなウィンドウディスプレイデザインです。
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TADASHI SHOJI “WINTER” 新宿伊勢丹
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“BRIDARIUM MUE” 高輪本店
一方で写真右側、“BRIDARIUM MUE” 高輪本店のウィンドウディスプレイでは、視線の流れを考慮し、導入部分に当たる左上に大きなアレンジフラワーをあしらい自然な流れでドレスに向かう構成です。
ドレス脇の空白によって余白の美を生かし、視線をより集中させる工夫がされています。
認知度を上げ集客力を高める
ウィンドウディスプレイは集客力向上にも効果的です。目を引くデザインは歩行者に店舗を認識させ、雰囲気や商品ラインナップを見せることで来店のハードルを下げます。繰り返し目にすることでブランドへの親しみが生まれ、次回の来店動機を生み出します。さらに、インパクトのあるディスプレイはSNSや口コミで拡散されやすく、集客効果を高めてくれます。ウィンドウディスプレイは、その前を通る歩行者を「興味を持つ顧客」に変える、重要な役割を果たしています。